【公認心理師】はじめての心理系国家資格!誕生の経緯と臨床心理士との比較をわかりやすく解説

公認心理師①アイキャッチ

✔︎相談するなら臨床心理士と公認心理師どっちがいいの!?

✔︎そもそも臨床心理士と公認心理師って何が違うの!?


✔︎公認心理師って最近できたんでしょ。相談して大丈夫!?

こころのことを相談相談しようと思うと、「臨床心理士」と一緒に「公認心理師」という資格が目に付くようになってきました。

こころの専門家って臨床心理士じゃないの!?何が違うの!?

疑問に思われる方はとっても多いと思います。「公認心理師」は、2019年から交付がはじまった、心理系初の国家資格です。とても新しい資格ですので、まだあまり詳しい情報が出ていません。

公認心理師と臨床心理士は全く違う資格です。しかし、「相談したい」と考える人からすると、ほとんど違いは無いと考えて良いです。というのも、臨床心理士の大半は、公認心理師の資格も取得して、ダブルライセンスで仕事をしています。この記事では、①心理系の国家資格ができたってどういうこと?②臨床心理士と公認心理師を比べるとどうなの?の2点をわかりやすく解説します!記事を読むと、こころの支援に携わる2大巨頭といえる資格について、詳しく理解することができます!

Writer

ライターは公認心理師の資格を持っていて、教育領域の心理職と専門学校や大学の講師の仕事をしてきました!心理職としての実体験と、講師の仕事で鍛えた伝える力を駆使して、わかりやすい記事を書いていきます!

早速内容を見てみましょう!

目次

公認心理師は心理系初の国家資格!

公認心理師1-1

そもそも国家資格ってなに!?

国家資格というのは、資格を取得した人が「高度な専門性が必要となる業務や、危険が伴う可能性のある業務に従事することができる」ことを国が証明すものです。つまり、こころの支援という高度な専門性が必要となる業務や、危険が伴う可能性のある業務を担うことのできると国が認めた専門家が公認心理師ということです

心理系の国家資格ができるってどういうこと?

心理系の国家資格ができたということは、こころの支援における心理学的立場の重要性を国が認めたということです。

こころの支援に関する諸領域の国家資格には、代表的もので医師、看護師、精神保健福祉士などがありました。ここに新たに「心理」の領域の専門家である「公認心理師」が加わったことになります。

例えば、医師は医学的立場から、看護師は看護学的立場からこころの支援に従事しています。医師は診断をつけることができるし、薬を処方できます。看護師は、医師の指導のもと、例えば注射や点滴といった処置を行うことができます。

そして、「公認心理師」は心理学的立場から、もう少し具体的にいうと、心理アセスメントや心理療法といった心理学を基盤とした専門的な支援の実践家として、こころの支援に携わることになります!

公認心理師と臨床心理士

公認心理師2-2

公認心理師と臨床心理士の比較

支援を受ける側からすると、公認心理師と臨床心理士はほとんど同じと先に述べましたが実際にそのことを確かめてみます。

公認心理師のお仕事と臨床心理士のお仕事を比較すると、次のようになります。

公認心理師のお仕事

1)要心理支援者の心理的アセスメント
2)要心理支援者への支援
3)要心理支援者の関係者への支援
4)心の健康に関する教育と情報提供

臨床心理士のお仕事

1)臨床心理査定
2)臨床心理面接
3)臨床心理的地域援助
4)上記3つに関する調査・研究

文言が違うため、一見するとわかりにくいかもしれませんが、「調査・研究の有無」を除いて、両者の違いはほとんどないと考えて良いです。

臨床心理士のお仕事については、下の記事に詳しくまとめていますので、そちらをご確認ください。

公認心理師と臨床心理士、あえて違いを見つけると

それでもあえて違いをみつけるというならば、それは以下の2点です。

  • 公認心理師はカウンセリングや心理療法だけじゃなく、助言や指導のような支援も強く求められている。
  • 公認心理師は、当事者だけじゃなく、関係者の支援も強く求められている。

こころの専門家は、カウンセリングや心理療法の担い手という印象が強いですよね。ですが、例えばスクールカウンセラーは生徒のカウンセリングだけではなく、「こころの健康教育」や「教師や保護者のコンサルテーション」なども求められることが多いです。また、長い時間が必要なカウンセリングはどうしても難しく、一度、もしくは数度の相談で、こころの問題に対するなんらかのヒントが必要という方も少なくありません。

心理職の存在が広く認められるようになった一方で、こころの支援に対する需要が多様化したというのが、公認心理師に求められる業務に反映されています。

公認心理師資格にはどうやってなるの?

公認心理師1-3

公認心理師の資格取得は臨床心理士に輪をかけて大変!

臨床心理士と公認心理師は専門業務という点ではほとんど同じですが、実は決定的に違うものがあります。それは、資格取得までの道のりです。

公認心理師の資格取得は、臨床心理士に輪をかけて大変です。公認心理師の資格を得るためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 大学4年間と大学院2年間、計6年間のカリキュラムを修める。
  • 国家試験に合格。

※臨床心理士は大学院の2年間で受験資格が得られるので、ここが大きな違いです。

公認心理師になるための道のりのなかで、この6年間をやりきるというのが一番のハードルになります。もちろん成績や単位をとるのも大変ですが、何より大変なのは、公認心理師になるという目標を持ち続けることです。

看護学校や保育の学校は、基本的にみんな「看護師」や「保育士」になりたくて通っているので、右を見ても、左を見ても同じ目標を持っている人がおり、団結して目標に向かっていけます。しかし、公認心理師は心理学部のいちカリキュラムの位置付けのため、多くの同級生が一般企業に就職していきます。就職を決めていく同級生を尻目に、たいして収入も良くない公認心理師になろうという目標を持ち続けるのは、かなりの胆力が必要です。そうした精神的はハードルを超えなくてはいけないのも、公認心理師の難しさのひとつです。

みんなが就活しているのに実習に行くのは気持ち的にとっても大変です!

ちなみに、2018年度から5年間は経過措置として、一定の実務経験がある人や、一定の心理学系の単位を大学院で取得している人は、公認心理師試験の受験資格がありました。そうした理由で、公認心理師の制度が整備される前の人たちも臨床心理士と公認心理師のダブルライセンスで仕事ができています。

おわりに

この記事では、公認心理師について臨床心理士と比較しながら簡潔にまとめてきました。

記事のポイントは次の通りです!

✔︎公認心理師は心理系初の国家資格。
✔︎国家資格ができたということは、こころの支援の重要性を国が認めたということ。
✔︎公認心理師の業務にはこころの支援に対する需要の多様化が反映されている。
✔︎とはいえ、支援を受ける側にとっては、臨床心理士と大きな違いはなく、そもそも多くの臨床心理士は公認心理師も取得してダブルライセンスで仕事をしている。

参考にしていただけると幸いです!

To be continued…

引用・参考

公認心理師法(厚生労働省HPから)
文部科学省HP
日本臨床心理士資格認定協会HP
一般財団法人日本心理研修センター.公認心理師現任者講習会テキスト[改訂版].金剛出版.


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この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
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