【喩えの型】「教える」が上手になる!教え方が上手な人の話し方!伝え方のテンプレート!

喩えの型 アイキャッチ

2022.03.22掲載
2022.05.12改定

✔︎がんばって教えてるのに全く手応えがない!

✔︎少し難しい話をしてると聞いている人が退屈そうにしてる!


✔︎いくら教えても全然理解してくれない!

人って、なんでこんなに自分の話を理解してくれないんだろう。。。

そんな悩みを持つ人はとっても多いですよね。

その理由は至極単純。それは、、、

あなたの話が難しいから!!

これにつきます。

難しい話を理解してもらえないなら、簡単な話にしちゃえば良い!そんな夢のような教え方があります。それが「喩えの型」!あなたの「教える」を助けてくれる、最強のスキルです。

「喩えの型」では、難しい話を「喩え」を使って簡単な話に咀嚼します。そうして簡単な話でニュアンスを掴んでもらうと、、、どんな難しい話でも、相手は驚くような理解力を発揮してくれます!「喩え」にはちょっとしたコツがいりますが、この記事を読んでいただければ、明日から「喩えの型」を使えるヒントを得られます!

「喩えの型」は、特に次のような話をするときに活躍します!

✔︎全く未知の事柄を説明するとき。
✔︎力加減のような、感覚的なニュアンスを含む内容について話すとき。
✔︎人間関係のような複雑なニュアンスを含む事柄について説明するとき。

具体的には、次のような場面です!

✔︎学校の授業
✔︎仕事の引き継ぎ
✔︎後輩や新人の指導

Writer

ライターは、専門学校や大学の講師として「教える」仕事に従事してきました。そのなかで、難しいことをどうすればわかりやすく話せるか。それについてはそれはそれは必死に研究してきました!そんなライターの経験を基にして、具体的でわかりやすい記事を目指します!

◇◆◇◆◇

それでは、早速内容を見ていきましょう!

◇◆◇◆◇

目次

喩えの型ってなに!?

喩える

喩えの型は、その名の通り、教えたい事柄を他のなにかに「喩え」て教える方法です。

「喩え」とは、広辞苑によると次のように定義されます。


ある事柄の内容・性質などを他の、他の事物に擬して言い表すこと。

広辞苑より引用

「喩えの型」では、教えたいことをそのまま説明すると難しいから、相手が理解しやすい似たような事柄を持ち出して説明するのです!

例えば

怒っている人には何を言っても無駄だよ

と言われるだけよりも

怒っている人には何をいっても無駄だよ。
だって山火事がピークのときに消化しようとするようなものだもの。

と言われる方が、なんとなく相手の言っていることがわかるような気がしてきますよね。

こうした喩えは、日常的に行われているものですが、それを「教える」作業に応用したのがこの「喩えの型」です!

基本的な型は次の通りです!

①まず一度その日伝えたいことを説明する。
②「喩え」に使えそうなセカイを探す。
③そのセカイの言葉に言い換えてもう一度説明する。
④最後に改めてその日に伝えたかったことを確認する。

喩えの型は、特に感覚的に理解することが必要な内容を教えるときに役立ちます。

喩えの型の活用例

案外簡単!

では、さっそく例を出して説明していきます!

次の例は、はじめて総務部に配属された新人さんに「総務部のお仕事」について説明するという場面です!

※「総務部のお仕事」というのは、範囲がとても広く、どのようなお仕事があるのか、説明できる人は少ないと思います。ここでは、そんな総務部のお仕事をわかりやすく「喩えの型」で説明する例をお見せします。

①まず一度その日伝えたいことを説明する。

今日からお世話になります!
よろしくお願いします!

配属おめでとう!
じゃあ今日は総務部のお仕事がどういうものか説明するね!
総務部は社員が働きやすい環境を整えたり、社員の業務をサポートするのが主な仕事だよ!

②「喩え」に使えそうなセカイを探す。

うーん、、、なんだかイメージしにくいな、、、

総務の仕事って、ちょっとイメージしにくいよね。一番わかりやすい例は学校なんだけど、あなたは学校用務員さんと教頭先生がどんな仕事をしているか知ってる?

③そのセカイの言葉に言い換えてもう一度説明する。

そうですね、学校用務員さんはいつもどこかの修理をしていて、教頭先生は管理職として、責任のある仕事をやっていたイメージです!

総務の仕事は、学校でいうと学校用務員さんと教頭先生のお仕事をあわせたイメージだよ!
学校用務員さんみたいに設備のメンテナンスをしたり、事務用品のような物品の管理もするよ。
教頭先生みたいに、組織内で生じた問題に先頭をきって関わったり、契約書や誓約書の作成や管理をしたり、責任のある業務もたくさんあるよ。
学校用務員さんや教頭先生のお仕事は、生徒が学びやすくて、先生が働きやすい環境を整えるっていう目的があって行われるんだけど、総務部も同じなんだ!

④最後にもう一度、その日伝えたかったことを伝える。

そんなわけで、総務部は、社員が働きやすい環境を整えたり、業務のサポートが主な仕事っていうことだよ!
こまかな業務については、また後で詳しく教えるね!

はい!
総務部の仕事をイメージすることができました!

解説

喩えってなんでわかりやすい?

点より線

活用例はいかがだったでしょうか。

「総務部のお仕事」というだけだと、どこかイメージし難いですが、「学校用務員さんと教頭先生のお仕事」といわれると、なんとなくイメージできた気になると思います。

こうして「喩え」を使うことの一番の利点は、「未知の事柄についても想像できる」こと、そして、そのことによる安心感を提供できることです!

多くの場合、新しい知識というのは、「点」の情報です。

例えば、「会社の設備のメンテナンス」とだけ言われても、なんだかよくわからないですよね。

え?なにするの?
業者さんの仕事じゃないの?
僕PCとか使えないけど、、、

となります。

でも、「学校用務員さんみたいに」とひとこと加わるだけ

僕のいた学校の用務員さん、壊れた備品を直してくれてたな。
どうしようもないときは業者さん呼んでくれたりしてたっけ。
あれをやるのか!

と、想像しやすくなります。

なぜ想像しやすくなるのか、それは

「学校用務員さんの仕事」という今までの経験のなかで何度も遭遇してきた(点を積み重た)線の情報を持っているからです。

もちろん、「喩え」たものとのわずかな違いについて、後々理解を修正することもあるかもしれません。

でも、点を積み上げるよりも今ある線の知識にアクセスして、それを修正した方が、はるかに効率的ですよね。

なにより、「教わる方」の気持ち楽です!

◇◆◇◆◇

くぬぎ

新しいことを覚えるよりも、今知っていることをちょっと修正する方がずっと楽!

◇◆◇◆◇

そんなに都合よく喩えってできるの?

喩えるって簡単

こうして「喩え」を使う技術は非常に有効ですが、一方でとても難しく見られがちです。

でも、実は「喩え」ってとっても簡単なんです!

それは、実は、多くの物事には共通のエッセンスが必ずあるからです!

例えば、この記事で例に出した「総務部」と「学校用務員さんと教頭先生」ですが、これらは、「会社」と「学校」で一見異なりますが「組織の一部門(一役割)」という点では共通しています。

ある程度の規模を有する組織であれば、それを維持するために必要になるエッセンスには、共通するものが必ずあるはずです。

同じように、どのような事柄にも、かならず共通するエッセンスを持っているものがあるはずです。

それを見つけてあげれば良いのです。

喩えを見つけるコツ

喩えるコツは息抜き

ちなみに、喩えを見つけるコツはすごく簡単です。

それは「息抜きする」ことです。

これを教えよう!!
なにか良い喩えないかな?

と前のめりに考えていると、なかなか良いアイディアが浮かびません。

でも

なんかわかりやすく伝える方法ないかなーー。
良い喩え降ってこーい!!

と思いながら

お散歩したり、シャワーを浴びたり、掃除をしたり息抜きしていると

息抜き

ふと良いアイディアが浮かびます。

きたー!!!

どんな頑張りよりも、いっときの息抜き!

これに尽きます!

◇◆◇◆◇

くぬぎ

難しい問題とか、悩み事とか、考えているときは何にも思い付かないのに全然違うことしているときにふっと良いアイディアを思いつくんだよね!

◇◆◇◆◇

喩えにたどり着く2つのセカイ

そんな喩えですが、実は、そこには2つのセカイがあります。

ひとつめはみんなが知ってるセカイ、ふたつめはその人独自のセカイです。

みんなが知ってるセカイ

みんなで共有できるセカイ

みんなが知ってるセカイは、多くの人に共通しているセカイです。

今回の学校のように、大多数の人が必ず経験しているセカイ

そんなセカイの物事に喩えて説明してあげるのです。

学校の他にも

✔︎日本の歴史
✔︎自転車の乗り方

✔︎スマートフォン
✔︎アニメ・小説・映画

など、みんなが知ってるセカイは無数に挙げられます。

その人独自のセカイ

僕だけのセカイ

その人独自のセカイは、その人の経験の中にだけあるセカイです。

例えば、仕事で伸び悩んでいる後輩にアドバイスをするとき

やあ、最近悩んでいるみたいだね。

仕事でうまく成果が出なくて、スランプです。僕どうしたら良いでしょう。

スランプは誰にでもあるよ。
今までこんな経験はなかったのかい?

中学の部活、陸上部だったんですけど、そこでスランプを経験したことがあります。

そのときはどうやって乗り切ったんだい?

諦めずに続けましたね。。。
そうしたら、ある日突然うまくいくようになりました。

今回も同じなんじゃないかな。
陸上の練習みたいに、伸び悩んでいるときでも練習を続ければ必ず蓄積されているものってあるから、それを信じて、今できることをやっていけばいいんじゃないかな。

せんぱーい!!
一生ついていきます!

このように、「その人独自のセカイ」を使った喩えは、その人に蓄積された経験を使って展開します

ポイントはみんなが知ってるセカイと同じです。

多くの物事には共通しているエッセンスがある。

そのことを信じて、相手の歴史に隠れている喩えのセカイを探すのです。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

これはなんだか難しそう!
私にできるかな、、、

◇◆◇◆◇

そうなんです。

この方法は、教える相手と一緒に「喩えを探す」ことが必要になるので、少し難しいのです。

なので、最初は「自分の独自のセカイ」を紹介してみても良いかもしれません。

例えば、先のスランプの例でも

✔︎自分が仕事でスランプをどう乗り切ったかを話してみる。
✔︎自分が映画やアニメで得た教訓を伝えてみる。

そうして喩え話でエッセンスを伝えることに慣れてから、相手のセカイを一緒に探してみても良いかもしれません

◇◆◇◆◇

くぬぎ

それなら私もすぐチャレンジできる!

◇◆◇◆◇

おわりに

今回は、教え方の技術「喩えの型」について解説してきました!

ポイントは、次のとおりです!

✔︎難しい話は「喩え」ることで、相手にとって身近な、わかりやすい話にできる!
✔︎まずは、みんなが知ってる世界からチャレンジしてみる!
✔︎その人独自の世界から喩えを見つけることもできる(上級編)!

◇◆◇◆◇

ぜひ、チャレンジしてみてください!

◇◆◇◆◇

To be continued.

参考・引用

犬塚壮志(2021).あてはめるだけで”すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑.SBCreative.
新村出編(1991).広辞苑第四板.岩波書店.

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この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
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