【因果関係の型】上手く教えるコツ!言いたいことを的確に伝える教え方!

因果関係の型 アイキャッチ

2022.03.29掲載
2022.05.13改定

✔︎言いたいことが正確に伝わらない!

✔︎注意するとき、ついつい回りくどい言い方をしちゃう!


✔︎はっきりものを言うのが苦手!

指導したり、注意したり、ちょっと強いことを言わなくちゃいけないときにはっきりとものを言うのが苦手な人、とっても多いですよね。

傷つかないかな?嫌な思いさせないかな?心配ですよね。

でも、相手のことを考えすぎると結局何が言いたいのかわからない、中途半端な指導になっちゃう!

安心してください。指導も、注意も、的確に伝えつつ、フォローもすれば大丈夫!

だから安心して、あなたが伝えたいこと、伝えていいんです。それが、「因果関係の型」!

「因果関係の型」では、話の肝(結果)から相手に伝えますから、あなたが伝えたいことをしっかり伝えることができます。もちろん、そうすると相手にとって負担なこともありますが、この記事では、相手が傷つかない工夫もまとめてお伝えします!記事を読むと、相手を気遣いながらも、しっかりと自分の言いたいことを相手に言える、そんな技術が身に付きます!

因果関係の型は、次のような場面に最適です!

✔︎部下や後輩に改善点を指摘したり、を指導をするとき
✔︎部下や後輩に注意するとき
✔︎部下や後輩に新しいことを提案するとき

Writer

ライターは、専門学校や大学の講師として「教える」仕事に従事してきました。授業はもちろん、個別の教育や指導にもたくさんの力を割いてきた自負があります!そんな経験を基にして、具体的でわかりやすい記事を目指します!

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それでは、早速内容に入りましょう!

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目次

因果関係の型ってなに!?

因果関係

因果関係の型は、まず最初に「結果」から相手に伝えていきます

◇◆◇◆◇

くぬぎ

あれ?
この前も同じような話を聞いたような。

◇◆◇◆◇

以前の記事でも取り上げた、説明するときは、まず「結論」から話しましょう。というのはテンプレートみたいなものですよね。

ですが、今回はちょっと違います。

何が違うかというと、因果関係の型では「結論」ではなく、「結果」を伝えるのです。

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くぬぎ

何が違うの!?

◇◆◇◆◇

結論と結果って何が違うの?

結論と結果の違い

✔︎結論は一つの考え
✔︎結果は変えようのない現実

「結論」と「結果」は、言葉は似ていますが、内容は全然違います。

「結論」は、話したり考えたりしたことの最終的な判断であり、話の終着点です。

例えば、次のような場合、太字部分が結論です。

✔︎〇〇という理由で、読書は良いものなんだ。
✔︎△△だから、タバコは吸わない方が良いよ。

一方、「結果」は、なんらかの物事を原因として生じた現象です。

例えば、次のような場合、太字部分が結果になります。

✔︎あなたは最近残業が多いみたいだね、その原因は〇〇にあるんじゃないかな。
✔︎最近売り上げが落ちているのは、〇〇という原因があると考えられます。

◇◆◇◆◇

「結論」導き出された「一つの考え」で、「結果」は導き出された「変えようのない現実」と捉えておくと良いと思います。

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因果関係の型について

核心

因果関係の型では、結果を先に相手に伝えることから、話を始めます。

ある意味では核心から入る話し方になりますので、「結論」から話す方法とはまた一味違ったインパクトがあります。

因果関係の型には、次のような基本ステップがあります。

①結果を伝える
②結果を引き起こした原因の数を伝える
③原因を伝える改善策を伝える
④改善したらどうなるか教える

因果関係の型の活用例

それでは、例を出して解説していきます!

次の例は、保育園のお昼寝の時間に、園児の連絡帳が書ききれなくて悩んでいる新人保育士さんにアドバイスする場面です!
※保育士さんは、園児のお昼寝中に全員の連絡帳にコメントを書いていきます。

①結果を伝える

聞いたよ、時間内に連絡帳が書ききれないんだって?
最近悩んでいるみたいだね。

そうなんです、、、
どうすれば良いかわからなくて、、、

②原因の個数を伝える

ここ数日様子を見ていたんだけど、原因は2つあるように思うんだ。

2つですか?

③原因を伝える

そう。
ひとつは、子どものお昼寝が始まると保育室の片付けから始めているよね。
片付けに時間を費やしている分、連絡帳を書く時間が削られているように見えたよ。
もうひとつは、補助の先生が産休に入っちゃったけど、後任の先生がまだ入っていないみたいだね。
人手が足りていないことも原因だと思うよ。

それはあるかもです。
でも、私どうしたら良いでしょう、、、

④改善策を伝える

簡単だよ!
保育室の片付けは子どもが帰ってからでも良いから、子どもが寝たことを確認したらまずは連絡帳を書いたら良いよ!

そっか!

あと、補助の先生の後任がいないことは主任に相談したら良いよ!誰かあてがってくれるかもしれないし、どうしようもないときは主任がお手伝いに来てくれるよ!

そっか!
主任に相談してもよかったんだ!

⑤改善したらどうなるか教えてあげる

そうすれば、効率良く仕事を進められるし、一人で全部やらないといけない状況も変わるから、ちゃんと連絡帳も書けるんじゃないかな。試しにやってみて!

私、全部ひとりでやらなくちゃって思ってました!
仕事の順番もちょっと工夫して、主任にも相談してみます。

解説

結果を先に述べるから筋の通った指導ができる

筋を通す

いかがだったでしょうか。

結果から伝えることで、筋の通ったわかりやすい指導になっていることが伝わったのではないでしょうか。

これが、たとえば次のように

あなた、子どもが寝た後片付けからしてるでしょ?
片付けは子どもが帰った後でいいんじゃない?
あと、補助の先生の後任いないの主任に相談してないでしょ?
相談した方がいいと思うな。
そうすれば連絡帳書く時間捻出できるんじゃない?
(クドクドクドクドクドクド………….)

なんて、バラバラと原因から言われると小言を言われているのか指導されているのか、なんだか良くわからなくなってしまいます

結果とは、ある意味問題の核心です。

まずは核心に焦点を当てる

そうして筋の通った指導をするのが、「因果関係の型」の特徴です。

しかし、この「核心に焦点を当てる」にはメリットとデメリットがあります

「核心に焦点を当てる」メリット

メリット

核心に焦点を当てると次のようなメリットがあります。

✔︎最初にインパクトがあるから相手が話に集中する。
✔︎結果(核心)ありきなので、お茶を濁さないで話ができる。
✔︎結果(核心)から原因に話が進むから筋が通った説明になる。
✔︎結果(核心)を先にいうから話が間伸びしない(回りくどい話をしなくて済む)。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

たくさんメリットがあるね!

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「核心に焦点を当てる」デメリット

デメリット

一方、この方法には、次のデメリットに注意する必要があります。

話の核心をつくということは、痛いところを突かなくてはならないことも多い。

これは、言う方も言われる方も負担になります。

結果から言うということは、話の核心である「できていないこと」や「悪い結果」についても、率直に伝える必要があるということです。

普通、私たちは

こんなこと言ったら相手が傷つくんじゃないかな?

などと考えて、相手を思いやりながらコミュニケーションをとります

これは、ある意味では、踏み越えては行けない境界線を作りながら話すということです。
しかし、この「因果関係の型」では、その境界線を一歩踏み込んで話をすることになるのです。
言う方も負担、言われる方も負担、ときに相手を傷つけてしまう可能性もあるデリケートな型なのです。

「因果関係の型」を使いこなすコツ

では、どうすればこの「因果関係の型」を使いこなせるのでしょうか。

コツは、二つの「大丈夫」を確認することです。

ひとつめの大丈夫(話の内容)

ひとつめの大丈夫は、話の内容です。

「悪い結果」を伝えるときは相手を思いやる必要があるでしょう。

でも、例えば成績が向上したことなど「良い結果」を伝えるときは心配する必要はないですよね。

こうして、伝える「結果」がどのようなものか見極めるのが「ひとつめの大丈夫」です。

私たちは基本的に人の気持ちに敏感です。

あっこれ話さない方が良いかも、、、

と反射的に思っても、良く考えると

あっ考えすぎだな!

と気づくことも多いものです。

ふたつめの大丈夫(伝える相手)

ふたつめの大丈夫は伝える相手です。

これから話す相手はどんな人でしょうか。

今までのその人の様子を思い返してみて

この人はちょっとやそっとじゃめげないよね

と思えれば、「大丈夫」です。

でも

ちょっと負担が強いかなー

と思ったら、ひと工夫をしてみると良いでしょう。

結果を伝えるときのひと工夫

基本的に、何事も言い方次第です。

先に挙げた例でも

連絡帳書けてないじゃない!
(そんなんじゃダメ)

と言われると負担ですが

連絡帳書けなくて困っているみたいだね
(困っているならアドバイスできるよ)

というニュアンスでしたら、ずっと受け入れやすくなります。

なぜ負担が強いか。
それは、否定されたり責められたりしているように感じるからです。
ですので、言い方を工夫して「否定しない」「責めない」言葉選びをするのがポイントです。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

言い方ひとつで全然違うんだね!

◇◆◇◆◇

おわりに

今回は、「指導」や「注意」の場面で特に有効な「因果関係の型」をテーマに記事を書きました。

ポイントは次の通りです!

✔︎「因果関係の型」では、結果→原因の順で話を構成する。
✔︎結果から先に述べることで筋の通った指導が可能になる。
✔︎結果から先に述べると、相手が責められているように感じるかもしれない。
→デリケートな相手には、伝え方を工夫すれば良い!

◇◆◇◆◇

ぜひ使ってみてください!

◇◆◇◆◇

To be continued.

参考・引用

犬塚壮志(2021).あてはめるだけで”すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑.SBCreative.

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この記事を書いた人

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