【問題焦点型・情動焦点型コーピング】ストレス対処法の二大巨頭!明日から使える2つのメンタルケア

コーピング アイキャッチ

2022.02.10掲載
2022.07.11改定

✔︎最近気分が重い…職場に行くと胃がキリキリする…

✔︎人と関わるのがすごく嫌だ。仕事でお客さんと話さないといけないと思うと、なんだか気が重くなる。

✔︎このままでいいのかな…将来のことを考えるとなんだか落ち込んじゃう。

ストレスを感じる生活というのは、とっても苦しいですよね。

「イライラする」「胃が痛くなる」「夜寝れない」 などなど…ストレスはこころにも身体にも悪い影響を及ぼします。

はぁ…もうこんな毎日逃げ出したい!!

私たちの生活とストレスは、切っても切り離せない関係です。では、ストレスを受けながらも、上手に対処して生活していく術はないのでしょうか…

安心してください。その術、あります!この記事では、ストレス対処の二大巨頭といわれている「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」を紹介します!簡単に説明すると、「問題焦点型コーピング」はストレスの原因を無くすように自ら働きかける方法情動焦点型コーピング」はストレスでまいったこころを元気にする方法です。このふたつのコーピングをバランスよく使うと、ストレスと上手に付き合いながら生活することができるんです。記事を読むと、明日から使えるストレスコーピングを知ることができます!

コーピングは対処という意味です!

Writer

ライターは臨床心理士の資格を持っています。臨床心理士の仕事には、講演や特別授業を通じたこころの健康に関する情報提供も含まれます。そのなかでもストレスとの上手な付き合い方は、ライターが何度も取り組んだ、大きなテーマのひとつです!この記事では、そうした取り組みを文章にしてまとめていきたいと思います!

当ブログは、カウンセリングオフィスが運営しています。詳細はこちらをご覧ください。

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目次

ストレスに対処するコーピングの二大巨頭

ストレスは対処できる!

私たちがストレスに対処することをストレスコーピングと呼びます。そして、このストレスコーピングには、大きく分けて次の2つの種類があります。

✔︎問題焦点型コーピング
✔︎情動焦点型コーピング

簡単に説明すると、「問題焦点型コーピング」とは、ストレスの原因を無くすように自ら働きかける方法で、「情動焦点型コーピング」は、ストレスでまいったこころを元気にする方法です。

ストレスの原因をやっつけることができたらそれに越したことはありません。しかし、ストレスの原因はどうにかしようと思ってもできないことの方が多いですよね。そんなときは、自分の気持ちに働きかけることもときには必要です!

では、次にそれぞれのコーピングについて詳しく見ていきましょう!

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因を無くすように自ら働きかける方法です。

ストレスの原因についてはこちらに詳しく書いていますので、読んでみてください!

問題焦点型コーピングには、次のような方法が例として挙げられます。

✔︎配属された職場の人間関係がとても苦痛で、「ストレスの原因」になっているから配置転換してもらった。
✔︎恋人の嫌な癖が「ストレスの原因」で、なおしてもらうようにお願いした。
✔︎テストで悪い点をとってしまうのが不安で「ストレスの原因」になっていたから勉強した。

問題焦点型コーピングでは、このように「ストレスの原因」自体に働きかけて、「ストレス」を根本的に解決してしまいます!とはいえ、ストレスの原因を取り除くわけですから、大きな困難を伴うこともあります。そこで、いくつかの技術が提案できます!

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったもので、目的達成のためにできる工夫を図式化したものです!

「ストレスの原因」となっている問題に対処する方法を計画して、実行して、その結果を評価して、うまくいかなかったら改善して、また計画して、、、というサイクルを回すことをいいます。

例えば、次のような例が挙げられます。

職場の先輩に理不尽に仕事を押し付けられて追い詰められているとき、上司に相談してみることを計画して(Plan)、実際に相談してみた(Do)。しかし、それだと全く改善されないことがわかった(Check)ため、次の方法として人事部に相談することにした(Action)。最終的に部署移動させてもらえることになって、ストレスが軽減した。

PDCAサイクルはビジネスの世界でよく使われる言葉ですが、こうして自分の生活のなかに落とし込んで生活スキルとして使うこともできる有効なものです!

PDCAサイクルについては、こちらの記事でより詳しく解説しています!

誰かに助けてもらう

「ストレス」に悩まされているとき、私たちはその原因を抱え込みがちです。

特に日本文化は我慢することが良しとされているところがあるので

武士はくわねど

耐え忍ぶことが美しいなんて思いがち…

それでこころを壊していたら元も子もないですから。

助けてくれる人がいたらさっさと助けを求めてしまいましょう!

✔︎(人事部に)ちょっと今の配属きついです…
✔︎(同僚に)ちょっと今仕事抱えすぎてるから、少し引き取ってもらえないかな…
✔︎(夫に)ごめん、子育てと家事で手一杯だから、ゴミ捨てと塾のお迎えだけ頼めない?

「助けを求めたらできない人って思われそう」なんて考えてしまうかもしれませんが、優秀な管理職やビジネスマンは人に仕事を頼むのがうまいって言われるくらいですから、助けを求め始めると案外今より評価が上がるかもしれませんよ!

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピング

次は、情動焦点型コーピングについて説明していきます!

情動焦点型コーピングとは、ストレスでまいったこころを元気にする方法です!

この情動焦点型コーピングは、さらに「気分を変える方法」「認知を変える方法」のふたつに分けることができます

方法その① 気分を変える

気分を変える「情動焦点型コーピング」は、簡単にいうと気晴らしです。

ストレッサーから一時的に距離をとって、気持ちをリフレッシュさせます。

例えば、次のような例が挙げられます。

✔︎仕事で嫌なことがあったから、帰りにヒトカラですっきりした!

✔︎家事や育児に疲れてしまったかからちょっと美容室やエステでリフレッシュしてきた!

✔︎試験勉強で気分が滅入ってきたからお部屋の掃除をしてみた!

気分を変える「情動焦点型コーピング」は、多くの人が経験したことのあるストレスへの対処ではないでしょうか。

僕もよくやります!

確かに、こうしてストレスの原因から目を逸らしても、問題が解決するわけではありません。

しかし、常にストレスに晒され続けると、こころはどんどん疲れてしまいますから、たまには気持ちをリフレッシュさせて、こころに元気を注入することはとっても大切です!

多くの人は追い詰められているときほどストレッサーから目を逸らすことが難しくなります。なにかあったらちゃんとこころを休めることができるように、自分なりのリフレッシュ方法を事前に準備しておくことはとっても大切です!

方法その② 認知を変える

認知を変えるというのは、つまり、物事の捉え方を変換するということです!

例えば、次のような方法が挙げられます!

✔︎朝友達が挨拶を返してくれなくて気になったけど、「気づかなかっただけ」だと考える。

✔︎最近仕事をよく頼まれるようになったのがちょっとストレスだけど「期待されている証拠」と前向きに捉え直す。

✔︎自分が出した企画について同僚に意見されたのが嫌だったけど「より良いものが作れる」と考え直した。

こうして角度を変えて前向きに捉えられると、ストレスの原因もスッキリ取り除けます!

ただし、この方法には注意が必要です。

というのも、スッキリと認知を変えられれば良いですが、無理して認知を捻じ曲げてしまうと、こころに無理が溜まってしまいます。

例えば、理不尽に仕事を押し付けられているのに一生懸命「期待されているから!」と思い込んで、無理に仕事を引き受け続けてしまうようなときです。

それでは本末転倒です。もし、「あれ?これって無理していないかな…」と自分の認知に疑問を持ったら、信頼できる人に相談して、意見を聞いてみるのも良い方法ですよ!

こころに負荷をかけないように、やさしくコーピングしましょう!

おわりに

今回は、ストレスの対処法について、「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」の2つの視点から解説しました。

記事のポイントは次の通りです。

✔︎ストレスの対処法には問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングの2つがある。
✔︎問題焦点型コーピングは、ストレスの原因を無くすように自ら働きかける方法
✔︎情動焦点型コーピングは、ストレスでまいったこころを元気にする方法
✔︎ストレスの対処は、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングをバランスよく使うのが良い!

あなたのお役に立てると幸いです!

To be continued.

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参考・引用

伊藤絵美(2021).コーピングの優しい教科書.金剛出版.
林峻一郎編・訳(1990). R.S.ラザルス講演ストレスとコーピング ラザルス理論への招待.星和書店.

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この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
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