【ストレスってなに?】ストレッサーとストレス反応|ストレスの2大メカニズを解説

ストレッサーとストレス反応 アイキャッチ

2022.02.02掲載
2022.07.12改定

✔︎最近気分が重くて、元気もやる気も出ないんだ…

✔︎ここのところ、イライラする日が増えてきた。なんだか、漠然と焦ってる感じもする。

✔︎夜寝付けない日が増えてきた。食欲もなくて…どうしちゃったのかな。

「最近気分が重い…」「朝起きるのが辛い…」「訳もなくイライラが続く…」こうした過ごしづらさを感じている人は多いのではないでしょうか。

最近どうしちゃったのかな…このままで大丈夫かな?

もしかしたら、その過ごし辛さの原因はストレスにあるかもしれません。

ストレスというと、こころの不調の原因と考えがちですが、実はそれだけではありません。こころと同時に、身体の不調の原因にもなり得ます

ストレスは、社会生活を送る人誰もが感じているものです。そして、上手に付き合わないと、私たちのこころと身体を蝕んでしまいます。この記事では、ストレスとはなにか、ストレス発生のメカニズムについて解説していきます!記事を読むことで、今までは漠然としていたストレスについて、はっきりと理解できるようになります!

Writer

ライターは臨床心理士の資格を持っています。臨床心理士の仕事には、講演や特別授業を通じたこころの健康に関する情報提供も含まれます。そのなかでもストレスとの上手な付き合い方は、ライターが何度も取り組んだ、大きなテーマのひとつです!この記事では、そうした取り組みを文章にしてまとめていきたいと思います!

それでは、内容を見てみましょう!

目次

ストレスってなに?

ストレスは負荷

実はよくわからないストレス

さて、そもそもストレスとはなんでしょうか。

「ストレス」という言葉はさまざまなところで使われていますが、「ストレスって〇〇のことをいうんだよ!」と説明できる人は少ないですよね。

「ストレス」という言葉はとっても一般的でありながら、一方でつかみどころがありません。

「ストレス」と上手に付き合うためには、まずはストレスとは何か、しっかりと理解する必要があります!

この記事では、まず「ストレスの定義」をはっきりさせるところから始めたいと思います!

ストレスの定義

ストレスは、私たちのこころに加わる負荷のことをいいます。

「人間関係のわずらわしさ」「負担の強い仕事」「金銭的な困難」などなど…私たちは、毎日の生活のなかで、さまざまなこころの負荷にさらされています。

これらは、周囲から手渡される荷物のようなものです

片手で持てたり、小さなリュックにしまえる程度ならまだ良いですが、両手でも抱えきれず、背負いきれないような重荷になってしまうと、私たちのこころは音を上げてしまいます。

抱える人

このように、重い荷物を抱えて苦しくなっている状態を「ストレス」に悩まされている状態と考えてください。

重い荷物を抱えていると、指先が千切れそうになったり、背中が丸まって俯いてしまいますよね。

ストレスの2大要素ストレッサーとストレス反応

ストレスには「ストレッサー」「ストレス反応」の2つの大きな要素からできています。

先ほどの荷物の比喩でいうと、ストレッサーは、手渡される荷物です。

一方、ストレス反応とは、重い荷物のせいでへばってしまっている身体の反応です。

このことについて、少し詳しくみていきましょう!

ストレッサーについて

ストレッサーは負荷の素

ストレッサーってなに?

それでは、まずはストレッサーについてです!

ストレッサーは、私たちのこころに負荷をかける様々な刺激や、その刺激の素です。

例えば、次のような例が挙げられます。

✔︎友人や同僚に嫌なことを言われてしまった
✔︎手に負えない仕事を回されてしまった
✔︎生活費が足りない


このように、嫌な気持ちや不安を感じる出来事はもちろんのこと

✔︎部屋が暑い
✔︎最近太ってきた気がする
✔︎満員電車が窮屈
✔︎電車の音がうるさい


上記のような、環境から受ける負荷もストレッサーになり得ます。

嫌なことだけがストレスじゃない

さらに、ストレッサーの難しいところは、こうしたわかりやすく「嫌」な刺激だけではなく、一見すると嬉しかったり、幸せだったりしそうな「良い」刺激もストレッサーになり得るということです。

例えば次のような事柄です。

✔︎先生に褒められた
✔︎友人と遊びに行った
✔︎結婚した
✔︎就職が決まった

意外に感じるかもしれません。しかし、例えば次のように捉えると、納得していただけると思います。

✔︎先生に褒められると嬉しい反面、また頑張らなきゃと言うプレッシャーも湧く!
✔︎友達と遊びに行って楽しかったけど、気も使った!
✔︎結婚して幸せだけど、新しい生活に適応しなくちゃ!

✔︎就職して新しい生活が不安!

このように、一見「良い」出来事でも、こころに負荷をかける側面があるのです。

そう考えると、どんなに気をつけて生活していても、私たちは常にストレスを受け続けているということがわかります。

インターネットで「社会的再適応評価尺度 ホームズ」と検索すると、日常生活の中で発生するイベントから受けるストレスの程度がまとめられた表をみることができますよ!

ストレス反応

ストレス反応

ストレス反応はストレッサーに対するこころと身体の反応

ストレス反応とは、ストレッサーに曝されると生じるこころと身体の反応のことをいいます。

実は、ストレス反応は必ずしも悪いものというわけではありません。スポーツ選手は試合前、強いストレスに晒されますが、その際生じる反応を利用して、こころと身体を興奮状態にして通常より高いパフォーマンスを発揮したり、集中力を高めたりします。

スポーツマン

こうして、ストレスを良いものと捉えて前向きに付き合うという考えもあるのですが、通常、私たちはストレスを感じると、ストレス反応として不快な、場合によっては社会生活に支障が出てしまうような反応をしてしまいます。

傷ついた

ストレス反応は①こころ②身体③行動に現れる

ストレス反応は、例えば次のように①こころ②身体③行動に現れます。

①こころに現れるストレス反応
✔︎イライラが続く
✔︎不安な気持ちが消えない
✔︎気分が落ち込む
✔︎何事にも興味関心が湧かない


②身体に現れるストレス反応
✔︎身体の節々の痛み
✔︎頭痛
✔︎夜眠れない・朝起きれない
✔︎食欲がなくなる


③行動に現れるストレス反応
✔︎飲酒や喫煙量の増加
✔︎ミスが多くなる
✔︎事故をおこしてしまう
✔︎ヒヤっとすることが多くなる。


厚生労働省『こころの耳』を参考に作成

こうしたストレス反応は、ひどくなると病院にかかることも考えなくてはならなくなりますので、できれば対処できるうちに対処してしまいたいところです。

おわりに

この記事では「ストレスってなに?」をテーマに、ストレッサーとストレス反応という2つの構造について解説してきました。

記事のポイントは次の通りです。

✔︎ストレスは、私たちのこころにかかる負荷のこと!
✔︎ストレスはストレッサーとストレス反応の2つからできている!
✔︎嫌なことだけじゃなく、良いこともストレッサーになり得る!
✔︎ストレス反応は①こころ②身体③行動に現れる!

この記事があなたのお役に立てると幸いです!

引用・参考

厚生労働省『こころの耳』
伊藤絵美(2016). イラスト版 子どものストレスマネジメント 自分で自分を上手に助ける45の練習.合同出版.
林峻一郎編・訳(1990). R.S.ラザルス講演ストレスとコーピング ラザルス
理論への招待.星和書店.

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この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
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