2022.04.05掲載
2022.05.12改定
✔︎起承転結が良いっていうけど、なんだかよくわからない!
✔︎人前で話すときに上手に話したい!
✔︎話にストーリーをつけられるようになりたい!
「話をするときは起承転結!」といいますが、、、
起承転結ってぶっちゃけよくわからなくないですよね!?
今回、記事を書くにあたって、たくさん調べました。
すると、発見しました!あんなに難しかった「起承転結」は、1つの前提と4つのコツ、合計「5つのポイント」を抑えると、簡単に使いこなすことができるのです!
「起承転結」は、あなたの話に「物語」を与えてくれます。物語は、聴き手を引き込み、あなたをとっても魅力的に彩ってくれる。そんな魔法のような話し方があるんです。この記事を読むことで、「起承転結」を使いこなすコツを掴むことができます!
起承転結は、次のような場面で特に有効に使っていただけます。
✔︎自分のエピソードを紹介したいとき
✔︎自己紹介
✔︎研修やプレゼンの導入に使う小話
ライターは、専門学校や大学の講師として「教える」仕事に従事してきました。日々の講義のなかで、聴き手を引き込む話し方、、、たくさん研究してきました!そんな経験をもとに、具体的にわかりやすい記事を書いていきたいと思います!
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それでは、早速内容に入りましょう!
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他の「話し方」や「教え方」については、こちらからご覧ください!
起承転結ってなに!?
起承転結について
起承転結は、広辞苑によると、以下のように定義されます。
広辞苑より引用
第一の起句で詩思を提起し、第二の承句で起句を承け(受け継ぎ)、第三の転句で詩意を一転し、第四の結句で全詩意を総合する。
これを簡単にまとめると次のようになります。
①まず話題を提示して(起)
②その話を進めて(承)
③話の転換点を作り(転)
④オチを作る(結)
「起承転結」は、こうした話の流れに関するの一つの定式です。
「起承転結」でまとめられた話には物語がありますから、聞き手が引き込まれやすいです。
また、比較的少ない文字数で全体をまとめられるというのも、大きなメリットのひとつです。
それでは、まずは起承転結のコツと起承転結が有効な場面を簡単にまとめてみます!
起承転結のコツは次の4つ!
✔︎起承転結は短い話でまとめる!
✔︎起承転結は舞台に上がれるときだけ使う!
✔︎起承転結は「転・結」から考える!
✔︎起承転結は無理に「転」しなくて良い!
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実際に例を見た方がわかりやすいです!早速見ていきましょう!
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「起承転結の型」の活用例
それでは、例を出して解説していきます。
【起】まず話題を提示する
僕は普段朝が苦手で、基本的にいつも電車の時間ギリギリなんですよ。
小走りで駅の階段を昇って、電車に駆け込む感じ。
でも、今日は珍しくアラームが鳴る前にスッキリ早起きできたんです。
ふむふむ
【承】その話を進める
時間もあるから、コーヒー飲んだり朝食をとったり、僕にしては珍しく優雅に過ごしてたんです。
そして、そのままソファーに座ってのんびりしていました。
朝日がぽかぽか暖かくて、、、こんなに気持ちの良い朝は久しぶりです。
ニュースを聴きながら、心地よさに包まれて、朝日に包まれて、、、至福のひとときを過ごしていると、、、
あー、これはもしかして、、、
【転】話の転換点を作る
急に身体がビク!ってなって目をあけました!
覚えのあるあの感じ、、、これは、、、と思って時計を見たら、案の定、家を出なくてはいけない時間を5分すぎてる!
大慌てで家を出て、駅まで猛ダッシュ!
改札を入るとすでに電車が入ってきている!
やばい!いそげ!
息切れして汗をかきながら、電車に滑り込みました。
ふう。。。
やっぱり!
二度寝ってあるよねー。
【結】話のオチをつける
結局早起きしても電車に駆け込むのは同じなんですね。
そんなこんなで、日々ギリギリを生きている僕ですが。
なんとか今日も講義に間に合うことができました!
さあ!今日の講義を始めましょう!
今日のテーマは「睡眠」です!
なんか面白そうな先生だ!
解説
起承転結があると、メリハリがある美しい話ができる。
いかがだったでしょうか。
「起承転結」は、この例のように、エピソードや物語を語るときに特に効果的な「話し方」です。
「起承転結」があると、メリハリがあって聞き手にとって美しい話ができます。
しかも、一見「話し上手」なイメージを相手に与えることができるので、導入に使うと「話が上手い人」という、話し手にとって都合の良いフィルターを通してその後の話も聞いてもらえますから、とっても好都合です。
でも、「起承転結」を実際に使いこなそうと思うと、すごく難しい!
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そうなんだよ!
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そこで、ここでは起承転結を使いこなす1つの前提と4つのコツを紹介します!
【ひとつの前提】起承転結は物語を伝えるためのもの!
「起承転結」を学ぶにあたって、忘れてはいけない大前提があります。
ここでいう物語とは、童話のようにみんなが知っているものだけでなく、ある人独自のエピソードまで、なんらかの筋があり、時系列があるお話全てを指します。
筋や時系列のない話については、「起承転結」はむしろ使わない方が良いです。
例えば1+1=2のような事実を伝えるのに、わざわざ「起承転結」を使ってしまうと、話が拗れてしまいますよね。
それは、そこに物語がないからです。
「起承転結」を意識し過ぎると、なんでも「起承転結」で話さなくてはならないと考えてしまいます。
しかしそこに落とし穴があります!
「1+1=2」のようなわかりやすいものなら良いですが「支店の営業成績」や「調べ学習のプレゼン」など、一見「『起承転結』で話せるかも!」と思ってしまうものには注意が必要です。
「事実」を「起承転結」で伝えようとすると混乱してしまいます。
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これは車の鍵で家の鍵を開けようとするようなもので、できそうでできないものですから、要注意です。
そっか!無理に「起承転結」でまとめようとしなくても良いんだ!
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これから自分がしようとしている話には筋があるか、時系列があるか、つまり、物語かということを確認してから「起承転結」にチャレンジしましょう!
【コツ①】起承転結は短い話でまとめる!
そもそも「起承転結」は、中国の伝統的な詩の表現方法を由来としています。
「詩」というだけあって、基本的には「短い文章」で表現するための方法ですから、そもそも長い文章を表現するのには向きません。
例えば、授業(90分)を起承転結でまとめようとすると、「起・承」の部分で一時間くらいとることになってしまいます。
つまり
今日やることは〇〇です。
〇〇は、ああで、こうで、、、、、、
という話が一時間も続くわけですから、、、
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眠くなる!
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そうなんです!
退屈な話になってしまいます。
話のオチ(結論)が最後にくるので、何を話したいかも明確じゃないですから、聞き手の集中力も持ちません。
もちろん、「漫画やアニメのストーリー」など、例外もありますが、「話し方」を学ぶ我々としては、「起承転結は短文で!」を原則とするのが良いでしょう。
【コツ②】起承転結は舞台に上がるときだけ使う!
ここでいう「舞台に上がる」というのは、話し手が一方的に話す構造がある場面のことをいいます。
コツ①でも少し触れたように、「起承転結」は、「起・承」と前置きが入ります。
つまり、「転」で話が急展開する直前までは、起伏のない平坦な話が続きます。
ですから、注目を集めるような構造がないと、聞き手の注意が簡単に外れてしまいます。
また、話の構造が凝っている分、芝居がかってしまいますので、無理に使おうとすると不自然になってしまいます。
そうした理由から、1対1や少人数の「やりとり」のなかに「起承転結」を盛り込んでしまうと、少し違和感が生じてしまうことが多いです。
そこで、舞台に上がるタイミングを見計らうわけですが、舞台に上がるといっても、これはなにも登壇しているときだけを指すのではありません。
例えば次のような場面が舞台に上がるときです。
✔︎研修などの講師として人前に立つとき
✔︎みんなの前で自己紹介をするとき
✔︎仲間に自分の話を披露するとき
✔︎相手になにかを教えるとき
このように、ここでは、例え1対1でも「話し手が聞き手に一方的に話せる構造」があるとき、「舞台に上がる」といいます。
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そっか!
どこでも使えるわけじゃないんだ!
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【コツ③】起承転結は、まずは「転・結」から考える
「起承転結」は、「起」から考えても絶対失敗します。
なぜなら、起承転結は「転・結」がメインディッシュだからです!
「起承転結」を使おうとする人がみーんな挫折するポイントは「転」です。
そっか!話題を転じれば良いんだ!
と知っても、実際に使おうとすると
あれ?
話題を転じたら言いたいことが言えなくなるぞ???
となってしまい、「転・結」がうまく構築できず、みんなそろって諦めていきます。
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ギターのfコードみたいなもので、初心者が絶対に躓くポイントです!
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では、どうしたら良いか。
これから自分が伝えたいことは何なのか。
「起承転結」において、それは「転・結」にあたります。
日本の動揺は、多くの場合「起承転結」がはっきりしています。
例えば「うらしま太郎」
こころ優しい漁師の青年うらしま太郎は両親と慎ましい生活を送っていました。
ある日、海辺を歩いていると子どもたちが亀をいじめているところに遭遇しました。
うらしま太郎は子どもたちを嗜め、亀を助けてあげました。
すると、亀は言うのです。
「私は竜宮の使い。このお礼にあなたを竜宮城にお連れします」と。
亀に連れられ、うらしま太郎は竜宮城へ。
竜宮城では乙姫に歓迎され、飲めや歌えや楽しい日々。
数日が過ぎ、うらしま太郎はふと家族のことを思い出し、そろそろ帰ると乙姫に。
乙姫は寂しがりながらも、うらしま太郎に玉手箱を渡して見送ります。地上に戻ったうらしま太郎。
驚いたことに、目の前には全く見たことのない景色。
そうです。うらしま太郎が竜宮城で過ごした数日のうちに、現世では何百年も経過していたのです。
途方に暮れたうらしま太郎は、玉手箱を開けました。
すると、中から白い煙が。
気づくと、うらしま太郎はおじいさんになっていましたとさ。
うらしま太郎はこんなお話だったと思います。
このお話のメインディッシュは言うまでもなく次の2つ。
✔︎うらしま太郎が竜宮城に招かれて、地上に戻ると数百年が過ぎていたこと。
✔︎玉手箱を開けたらおじいさんになってしまったこと。
うらしま太郎の物語では、主人公の漁師としての慎ましい暮らしが「亀を助けた」ことで一変した。
つまり「転」を迎えたことで展開していきます。
うらしま太郎が心優しい青年だったこと、両親と慎ましく暮らしていたことは、大切なポイントではありますが、あくまでメインディッシュを引き立たせるための前菜です。
この前菜が「起・承」にあたります。
コース料理を考えるとき、前菜から考えるということは基本的にはありませんよね。
メインディッシュがあって、そこから逆算して前菜を考える。
起承転結も同じです。
「転・結」をまず挙げ、そこから「起・承」を考えれば良いのです。
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なぜなら、僕たちは「起・承」を伝えたいわけではないからです!
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では、どのように「起・承」を考えれば良いのでしょうか。
【コツ④】無理に転しなくても良い
「起・承」を考えるコツは実はとっても簡単で、無理に「転」をしようとしないことです。
多くの人は「転」という言葉に引っ張られて「どうにか話を変えなくては」と思い、混乱してしまいます。
そして、その混乱が躓きになります。
しかし「転」するのは、「話の内容」じゃなくても良いのです。
話のテンポや物語の進む先、慣れないうちは話す調子を変えるだけでも十分に「転」になり得ます。
先に挙げた活用例では、「二度寝しちゃって大慌てで電車に乗った」というメインディッシュを引き立たせるために、以下のなんの変哲もない穏やかな日常をゆっくりとした調子で並べました。
✔︎朝早起きできたこと
✔︎優雅に朝食をとったこと
✔︎のんびりソファーで過ごしたこと
✔︎そのままうとうと眠りに誘われたこと
これが「起・承」となります。
それが、目を開けた瞬間一変して(調子がかわって)、大慌てで電車に飛び乗るまでのエピソードが語られます。
完結にいうと、穏やかな日常から、大慌てな日常に転調したということです。
この転調からの一連の流れが「転・結」とりました。
繰り返しになりますが、「起承転結」で伝えるのは原則として「物語」です。
「物語」には、筋と時系列があります。
「起承転結」で文章を作ろうと思ったら、まず自分が伝えたい話(転・結)を思い浮かべて、その話に至るまでの経緯をゆっくりと語る。
そして、「転」に差し掛かったところで、調子を変えて勢いよく結まで語る。
◇◆◇◆◇
前提が「物語」ですから、そうすることで自然と「起承転結」で話ができるというのが、僕のアイディアです!
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おわりに
今回の記事では、物語やエピソードを伝えるときに役立つ「起承転結の型」を紹介しました。
「起承転結」で話すポイントは次の通りです!
✔︎起承転結は物語を伝えるためのものであることを忘れるべからず!
✔︎起承転結は短い話でまとめよう!
✔︎起承転結は舞台に上がる(注目を集められる)ときだけ使いましょう!
✔︎起承転結は、まず「転・結」から考えよう!
✔︎起承転結は無理に転じなくて良い!(調子をかえるだけで十分!)
◇◆◇◆◇
試しに「起承転結」チャレンジしてみてください!
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参考・引用
新村出編(1991).広辞苑第四板.岩波書店.
野呂エイシロウ(2021).心をつかむ話し方無敵の法則.アスコム.
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