怒りやイライラを鎮める方法:アンガーマネジメントから学ぶタイムアウト

2022.01.22掲載

誰かと関わっているとき、「怒り」や「イライラ」がコントロールできなくて困ってしまうという方は多いのではないでしょうか。
「怒り」や「イライラ」は、相手にぶつけると人間関係に傷がついてしまう
しかし、無理に抑えるとこころが疲れてしまいます
この記事では、アンガーマネジメントを参考に、上手に気持ちを鎮めるテクニックを紹介します。

まずは記事の結論から!

それでは、早速内容に入ります!

目次

タイムアウトってなに?

タイムアウトは、とても簡単に説明すると、「怒り」や「イライラ」を感じる場所から離れよう!という方法です。

タイムアウトの名前は、もともとスポーツの「タイム」に由来しています。

バレーボールやバスケなど、集団で行うスポーツでは、流れが悪くなると「タイム」をとって流れを変えようとします。

タイム!

◇◆◇◆◇

くぬぎ

スポーツって悪い流れにのっちゃうと何をやってもうまくいかなくなるときあるのよね。

そう!
その流れを「一息つくこと」で変えようとするのが「タイム」だよ!

◇◆◇◆◇

タイムアウトの基本的な考え方はスポーツの「タイム」と一緒です。

タイムアウトはもともと教育や療育のなかで使われてきた技法で、心理学とも親和性が強いです。

心理学の教科書では、タイムアウトを次のように説明しています。


望ましくない行動が生じたとき、強化子(原因になる刺激)を取り除くために、その場面から本人を引き離し、別の場所に移動させる手続きをとる。

加賀屋崇文編著(2018).いちばんよくわかる 図解 臨床心理学.成美堂出版.

引用だと少し言葉が堅くなってしまいますが、簡単にいうと

なにかきっかけがあって子どもが暴れたとき、その暴れるきっかけを作った原因(刺激)から子どもを遠ざけてましょう

ということです。

そうして「一息」ついて、こころの悪い流れを変えてしまうという方法です。

アンガーマネジメントは大人が自分で自分をコントロールするために学ぶわけですが、基本的な構造は同じで、「怒り」や「イライラ」が生じる場面に遭遇したら、そこから少し距離をとって気持ちを落ち着かせます。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

「怒り」や「イライラ」を感じたら、その場面から離れれば良いってことね!

そういうこと!でも、実はこれって結構難しいんだよ!

◇◆◇◆◇

タイムアウトのやり方

タイムアウトを実践するには、実は少しコツが必要です。

恋人と喧嘩したとき、普段は大好きだけど、そのときばかりは視界に入るだけでイライラしてしまう。
そんなだったら離れていれば良いものを、わざわざ自分から近寄ってつっかかっていってしまう。

そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

このように、怒りやイライラを感じると、人は無意識にその場面に固執してしまうものです。

ですので、

そっか、イライラしたらその場を離れれば良いんだ!

と知っても、いきなり実践するのは少し難しかったりします。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

じゃあどうすれば良いの!?

◇◆◇◆◇

そんなときに役立つのが、「事前にルールを決めておく」です。

より具体的には

①タイムアウトする場面を決めておく
②タイムアウトする場所を決めておく

のふたつです!

タイムアウトする場面を決めておく

おそらく多くの人は、いつも同じような場面で「怒り」や「イライラ」を感じていると思います。

例えば、次のように

部下や後輩に注意する場面

注意

子どもが言うことを聞いてくれない場面

言うこと聞いてくれない

恋人の嫌な癖に遭遇してしまった場面

嫌な癖

などなど

ですので、「次にその場面に遭遇したらタイムアウトする」とこころの準備を整えておくのです。

よし!
次に〇〇君がデート中にスマホいじり出したらタイムアウトしよう!

タイムアウトする場所を決めておく

リラックスできる場所

タイムアウトする場所は、基本的になにもない静かな場所良いとされます。

それは、「人の声」や「ごちゃごちゃした視界」などは、多かれ少なかれ人のこころを刺激して、波だたせてしまうからです。

日常生活のなかで全く何もない場所を見つけるというのも難しい話だと思います。

ですので、せめて自分のこころが穏やかにできる場所を探しておきましょう

例えば、次のような場所はいかがでしょう

自宅なら自分の部屋

おちつくさん

職場なら使っていない会議室

使っていない会議室

学校なら使っていない教室

使っていない教室

場合によってはトイレの個室でも

トイレの個室でも

ダメ押しで、予行練習もしておくとさらに効果的!

ここまで考えたら、ダメ押しで予行練習もしちゃいましょう。

次に「怒り」や「イライラ」を感じたときのことを想定して、こころが穏やかなときに練習しておくのです。

自分が選んだ「落ち着ける場所」に行ってみて

ここはほんとに落ち着けるかな?

と試してみると良いと思います。

そうすることで、実際に「怒り」や「イライラ」を感じたときにスムーズに「タイムアウト」を実行することができるようになります。

◇◆◇◆◇

くぬぎ

そんなにしっかりやらないといけないの!?

頭に血が昇っているときって、思っている以上に思考が働かないものだからね!
事前に一回練習しておけば、本番は何も考えないで実行すれば良くなるから、うまくいく可能性がぐっと高くなるよ!

◇◆◇◆◇

おわりに

今日は「怒り」や「イライラ」の対処方のひとつ「タイムアウト」について取り上げました。

タイムアウトは教育や療育の分野で活用されている方法ですが、とても効果的で、大人が実践してもしっかりと「こころを落ち着かせる」効果が期待できます!

興味をもっていただけた方は、よかったら、自分だけの落ち着ける場所、探してみてはいかがでしょうか。

◇◆◇◆◇

引き続きこの記事では、「怒り」や「イライラ」の対処法についてまとめていきたいと思います!

◇◆◇◆◇

To be continued.

参考・引用

安藤俊介(2018).怒りが消える心のトレーニング.Discover.
安藤駿介監修・戸田久実著(2016).いつも怒っている人もうまく怒れない人も図解アンガーマネジメント.かんき出版.
加賀屋崇文編著(2018).いちばんよくわかる 図解 臨床心理学.成美堂出版.

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この記事を書いた人

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