2022.01.05掲載
人付き合いのなかで感じる「怒り」や「イライラ」にどう対処するかということで悩んでいる方はとても多いのではないでしょうか。
そこで、最近注目を集めている「アンガーマネジメント」から「怒り」と上手に付き合う方法を解説していきたいと思います。
この記事では、①アンガーマネジメントってなに?②なぜ私たちは怒るのか?怒りのメカニズムをテーマに記事を書きたいと思います。
まずは記事の結論から!
それでは早速内容に入っていきましょう!
アンガーマネジメントってなに?
アンガーマネジメントの「アンガー」は”怒り”、「マネジメント」は”管理”や”コントロール”のような意味です。ですから、その名のとおり、アンガーマネジメントとは、自分の「怒り」をコントロールするための方法ということです。
日本アンガーマネジメント教会代表理事の安藤先生は、アンガーマネジメントを次のように説明しています。
アンガーマネジメントは、怒りという感情を論理的に捉え、実践的な対処法を提示するものです。精神論ではなく、誰にでも習得できる技術なのです。
安藤俊介(2018).怒りが消える心のトレーニング.Discover.より引用
あなたはどのようなときに「怒り」を感じますか?
実は、ひとことで「怒り」といっても、さまざまな種類があります。
例えば次のように
①ふとしたとき、こころのなかでふつふつと湧いてくる「イライラ感」
②ちょっと必要以上にキツく言いすぎてしまったときに感じている「嫌な感じ」
③ついつい怒鳴ってしまうような「爆発的な衝動」
これらは全て、「怒り」にまつわるこころのざわめきです。
こうした「怒り」は、程度の差こそありますが、総じて私たちの人間関係にあまり良い影響は与えてくれません。
そればかりか、人間関係に傷をつけたり、自分のこころに負担を積み重ねてしまうものです。
◇◆◇◆◇
そんな怒りをコントロールできたら良いな。
◇◆◇◆◇
これは誰しもが願うところだと思います。
そして、アンガーマネジメントは、「怒り」をコントロールする方法を私たちに提案してくれます。
◇◆◇◆◇
それじゃあ、まずはそもそも「怒り」ってなに?
という話からしていこう!
くぬぎは怒りって一体何だと思う?
ええ!?
怒り、、、怒り、、、
あの胸が苦しくなるような、頭があるくなるような、
あの感情、、、うーん、うまく説明できない!
◇◆◇◆◇
怒りのメカニズム
実は、「怒り」がいきなり私たちのこころに生じることはありません。
なぜかというと、怒りは二次的感情だからです。
「二次的感情」というからには、「一次的感情」があります。
この「一次的感情」が私たちの怒りの素になるものです。
◇◆◇◆◇
うーん、、、ちょっとよくわからない!
そうだよね!わかりやすく例を出して説明してみるね!
◇◆◇◆◇
さて、あなたはこの男の子のこころのなかで、どんなことが起こっていると思いますか?
「怒り」以外の感情を考えてみましょう!
◇◆◇◆◇
うーん、、、
急に言われた「驚き」
信じていたのに裏切られた「傷つき」
大切な人と一緒にいられなくなった「喪失感」「寂しさ」
あとはなにがあるかな、、、
うんうん。
自分がなにかしちゃったんじゃないか「心配」
自分に価値がないからかという「不安」
なんかもあったかも!
◇◆◇◆◇
想像をはじめるときりはないですが、実は、「怒り」の後ろには、こうしたたくさんの感情が隠れています。
「怒り」の起源
「怒り」は、もともと私たちが自然界を生き残るうえで非常に大切な役割を果たしていました。
わかりやすい例でいうと、街でみかける猫を想像してみてください。
猫は普通、私たちが近づくと逃げますよね。
それは、知らない人間に近づかれると、何をされるかわからないからです。
「不安」や「恐怖」といった感情に促されて「逃避」行動をとります。
このとき感じている「不安」や「恐怖」は、対象に自然に抱く感情であり「一次的感情」といわれます。
でも、子猫が近くにいるときはどうでしょう。
子守をしている母猫に不用意に近づくと、警戒されます。
「怒り」の感情を表現して、私たちを睨みつけます。
それでも不用意に近づくと、噛みつかれたり引っ掻かれたり、痛い目をみることになってしまします。
普段はスタコラサッサと逃げていってしまう猫も、子どもを守るためには「怒り」を顕にして戦うのです。
本来であれば「不安」や「恐怖」のような「一次的感情」を感じる相手に対して、生命を繋ぐという本能に支えられて牙をむく。
これが「怒り」の起源です。
このように、「一次的感情」の次の段に生じる感情という意味で、「怒り」は「二次的感情」と言われるのです。
◇◆◇◆◇
私も昔子育て中の猫にひっかかれたことある!
僕もお散歩中、うっかり子育て中の野良猫のナワバリに入って威嚇されてビク!っとするときあるよ!
◇◆◇◆◇
「今の」私たちの怒り
このように、本来「怒り」は、私たちが生命を繫ぐのに必要な攻撃行動(もしくは威嚇行動)を発動させるために生じるものでした。
私たちは「自然界」ではなく「人間界」に生きていますが、「怒り」の構造は基本的に一緒です。
私たちに「不安」「恐怖」「傷つき」といった「一次的感情」を抱かせる相手に「二次的感情」として「怒り」が発動します。
アンガーマネジメントでは、「水の溜まったコップ」の比喩で、この怒りのメカニズムをわかりやすく説明しています。
怒りはこころのコップから溢れた感情だった
私たちのこころにはコップのようなものがあり、人間関係のなかで少しずつ「一次的感情」を溜め込んでいきます。
コップのなかに溜まっているのは、例えば次のような感情です。
・評価される不安
・見捨てられる恐怖
・人と比べた際の劣等感
・こころない言葉から受ける傷つき
そして、そのコップがいっぱいになって、自然に、もしくはなにかのきっかけで溢れ出してしまったものが「二次的感情」である「怒り」です。
◇◆◇◆◇
うーん、、、
私の場合、いつも限界まで溜め込んで一気に溢れさせることを繰り返している気がするわ。
がんばって抑えて、抑えて、それでも抑えきれなくてちょっと漏れ出しはじめていたのが最初に話していたくぬぎのイライラなんじゃないかな。
◇◆◇◆◇
おわりに
「怒り」の感情は、私たちが「自然界」のなかで生き残るために必要なものでした。
しかし、文明が発達したおかげで、私たちは「自然界」をサバイバルする必要がなくなりました。
そのかわりに、「人間界」で、つまり「人間関係のなかで」生きていくことが必要になったのです。
そうすると問題になってくるのが「怒り」の扱いです。
強い「怒り」を相手にぶつけると、人間関係に亀裂が入ってしまうこともあります。
その一方で、人間関係を壊さないように我慢してしまうと、抑え込まれた「怒り」が私たちのこころを内側から蝕んでしまいます。
もちろん「怒り」は人間関係のなかでも必要になるときはありますので、無くしてしまえば良いというものではありません。
今回の記事はここでおしまいにしますが、次回からは、この「怒り」と上手に付き合う方法を、アンガーマネジメントから学んでいきたいと思います!
To be continued.
参考・引用
安藤俊介(2018).怒りが消える心のトレーニング.Discover.
安藤駿介監修・戸田久実著(2016).いつも怒っている人もうまく怒れない人も図解アンガーマネジメント.かんき出版.
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