【ソーシャルサポート】私たちの周りには助けてくれる人がいる|ストレスに悩んだときの相談相手

ソーシャルサポート アイキャッチ

2022.02.28.掲載
2022.07.15.改定

✔︎職場の人間関係…追い詰められて…もうこれ以上は無理だよ!!

✔︎毎日精神的にほんとにきつい…胃が痛い…電話が鳴ると動悸がすごい…どうしたら良いかわからない…

✔︎最近仕事に行くのがきつい…夜も寝れない…自分どうしちゃったのかな?

ストレスばっかりの毎日でこころが追い詰められたとき、ひとりで抱え込んでいませんか?

気持ちが落ちれば落ちるほど、どんどん一人になっていく…

もう、顔を上げる元気もない

あなたも、こんなふうに一人で俯いていないでしょうか。もしそうだとしたら、少し辺りを見渡してみませんか。実は、気づかないだけで、私たちの周りには、俯いている私たちを助けてくれる人がいます。

この記事のテーマはソーシャルサポートです。ソーシャルサポートは、私たちの周りにいる、頼れる人達に助けてもらうこと。気がつかないだけで、私たちの周りには、ほんの少し手を伸ばせばその手を掴んでくれる人がいる。記事を読むことでそんな人たちとどうすれば繋がれるのか、知ることができます!

Writer

ライターは臨床心理士の資格を持っています。臨床心理士の仕事には、講演や特別授業を通じたこころの健康に関する情報提供も含まれます。そのなかでもストレスとの上手な付き合い方は、ライターが何度も取り組んだ、大きなテーマのひとつです!この記事では、そうした取り組みを文章にしてまとめていきたいと思います!

それでは、早速内容を見ていきましょう!

目次

【ソーシャルサポート】私たちの周りにいる頼れる人

人に頼っていいんです

あなたには頼れる人がいますか?

あなたは困ったことがあったとき、ひとりで解決することが難しいと感じる問題に遭遇したとき、誰に頼りますか?そもそも、頼れる人を思い浮かべようとしたとき、誰かの顔や名前を思い浮かべることができますか?

これって、実は結構難しいです。

1人思い浮かべれられれば上等。なんなら、すぐには誰も思い浮かべられないという人だって少なくないはずです。

それくらい、私たちは人に頼ることができないのです。

しかし、私たちは、いざとなったら頼れる人がいる。そのことを知っておかなくてはなりません。その理由は、私たちが日常のなかで直面するストレスの原因には、自分の力だけでは解決できないものがあまりにも多すぎるからです。

ストレスに長時間晒されてこころが追い詰められているとき「ひとりで解決しなきゃ!」と思うと、こころが押しつぶされてしまいます。

でも「この人に頼れば大丈夫!」と思える人がいると、驚くほどこころが軽くなるものです

実は、思い浮かべるのが難しだけで、私たちの周りには、たくさんの「頼れる人」がいます

ソーシャルサポートってなに?

ソーシャルサポートは、「頼れる人」を見つけて実際に助けてもらうことです。

このとき、「頼れる人」として挙げられるのは、家族や友人など身近な人から、会社の相談窓口、地域のサービスなどさまざまです。実は、知らなかっただけで、私たちの周りにはたくさんのソーシャルサポートが存在しています!

誰に頼れば良いんだろう

必ず見つかる助けてくれる人

実は身近にいる頼れる人

実は、私たちの周りにはたくさんの頼れる人がいます。身近だと思われる順に並べていきますね。

✔︎家族
✔︎友人

✔︎先輩
✔︎後輩
✔︎学校

✔︎会社
✔︎地域

✔︎病院

ちょっと考えただけでも、これだけの頼れる人が挙げられます。

このとき、自分がどんな問題について、どのようにに頼りたいのかを考えながら見渡してみるのがポイントです。

例えば「職場の悩みなんだから、家族に相談しても解決しないし…」そう考える方もいるかもしれません。ですが、問題を解決することだけが頼り方ではないんです。辛いときに胸の内を聞いてもらうこと、それだけでも元気がでます。あなたの周りの頼れる人は、それぞれ役割を持っているのです。

そのとき、盲点になりやすいのが、組織や地域です。

実は会社や学校にも頼れる人はいる

実は、会社や学校にはたくさんの人が「頼れる人」として仕事をしています。

学校にはハラスメントの相談窓口やカウンセラーなどが配置されていますし、会社にも人事部や総務部、産業医、大きい企業でしたら産業カウンセラーなどの窓口や制度があります。

そういう部署や担当者は、お仕事として「頼れる人」をしています。つまり、「頼ってくれる人」がいないとお仕事ができませんので、遠慮なく声をかけてください!

部署移動や業務のことを相談したいとは、人事部や総務部に相談するのも良いでしょう。もし、デリケートな悩みで会社や学校の人には話したくないと思ったら、学校のカウンセラーや産業カウンセラーなどに相談してみるのも一つの案です。スクールカウンセラーや産業カウンセラーは外部の人間であり、かつ守秘義務がありますから、安心して話すことができます。

実は地域にも頼れる人がいる

そして、最も見落とされがちなのが地域から得られるソーシャルサポートです。

実は、知らないだけで、地域にはさまざまなところに「頼れる人」がいます。

例えば、母子手帳にはそっと子育て相談窓口の電話番号が書いてあって、そこに電話すると子育て関係の困りごとに対してアドバイスをくれるサービスがあります。その他にも、こころの不調には心療内科がありますし、生活が困窮したら市役所の福祉課が助けてくれます。

意外に思われるかもしれませんが、これらの「頼れる人」には、実はとっても簡単にアクセスできます。スマートフォンの検索窓にそっと自分の困りごとを入力してみてください。

驚くほどあっという間に、「頼れる人」を見つけることができますよ!

何を頼れば良いんだろう

荷物を持ってもらう

私たちには3つの頼り方がある!

私たちはそもそも人に頼るのがとっても苦手です。ですので、ここでは、私たちが「頼れる人」に何を頼れば良いのだろう?ということを解説していきます!

ソーシャルサポートには、大きく分けて次の3つの種類があります。

✔︎道具的サポート
✔︎情報的サポート
✔︎情緒的サポート

長崎和則(2010).精神障害者へのソーシャルサポートの活用-当事者の語りの分析から-.ミネルヴァ書房.に基づき作成

では、一つずつ整理してみましょう!

【道具的サポート】実際に助けてくれる!

道具的サポートの一番わかりやすい例は、お金の援助です。

給料日前にお金がなくなってしまって、ご飯も食べられなくなってしまったとき、両親に相談して少し融通してもらった。そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。

このうように、実際的な問題解決を助けてもらうとき、道具的サポートが行われたことになります。

そのほかにも、次のようなときは道具的サポートが発動していることになります。

✔︎子育ての息抜きに友達と遊びに行くとき、旦那や実家に子どもを預かってもらった

✔︎台風で職場から家に帰ればいとき、同僚に車で送ってもらった

✔︎仕事が忙しくて家のことができないとき、家事代行サービスを使って掃除、洗濯をしてもらった

✔︎ご飯を準備する時間がないとき、ウーバーイーツを使って夕飯を買ってきてもらった

【情報的サポート】情報提供をしてもらう!

情緒的サポートの一番わかりやすい例は、「制度の紹介」です。

あるとき体調を崩してしまい、突如入院しなくてはいけなくなったとします。実は、入院費というのはかなり高額になりがちで、1週間も入院すると10万円を超える請求が来ます。こうした突然の出費は心理的に大きなストレスになることはもちろん、経済状況によっては支払えないという事態にもなりかねません。

このような事態を救ってくれるのが病院のソーシャルワーカーです。ソーシャルワーカーは国の制度に通じており、高額医療費は還付されること、そして、どのように手続きすれば良いかを教えてくれます。

もちろん、数万円の出費は発生してしまいますが、かなり気持ちは楽になるのではないでしょうか。このように、情報を教えることで問題解決を助けてくれるような場合、情報的サポートが行われたことになります。

その他にも、次のようなときは情報的サポートが発動していることになります。

✔︎携帯代が高くて困っているとき、格安のプランがあることを教えてもらった。

✔︎粗大ゴミが捨てられなくて困っているとき、地域の集積場にもっていけばいつでも処分してもらえることを教えてもらった。

✔︎金銭的な事情で学校が続けられなさそうなときに、奨学金のシステムを教えてもらった。

✔︎洗濯物の匂いが取れなくて嫌だったとき、熱湯をかけると良いことを教えてもらった。

✔︎職場の人間関係で悩んでいるとき、同僚から人事部に相談して部署移動を願い出るというアイディアをもらった。

【情緒的サポート】気持ちを楽にしてくれる!

情緒的サポートは、こころが楽になるような手助けです。

家族や友人、恋人に愚痴を聞いてもらったり、辛い気持ちをを受け止めてもらったことでこころが元気になったという体験がある方はとても多いですよね。

このように、直接問題解決につながる手助けではないけれど、こころが楽になるようなサポートが情緒的サポートです。

この他にも、次のようなときは情緒的サポートが行われているといえます。

✔︎学校の人間関係が本当に辛いとき、その気持ちを家族に聞いてもらって少し楽になった。

✔︎失恋で傷ついたとき、友人にドライブに連れて行ってもらって慰めてもらった。

✔︎職場でストレスが溜まっていた時、友人と一緒にスポーツをしてリフレッシュした。

✔︎仕事で伸び悩んでいるとき、上司に悩みを打ち明けたら熱心に聞いてくれて気持ちが楽になった。

まとめ

こうしてソーシャルサポートの種類を概観してみると、私たちはいろいろな角度から「人に助けてもらう」ことができるとわかります。

ただ漠然と「人に頼る」と考えると、「全部の問題を解決してくれる人を探す」ように考えがちですが、実は、そんな必要はありません。「頼れる部分を頼る」そして、「身近な人だけではなくて、公的な機関や地域にあるさまざまな相談窓口も利用して良い」と、幅広い視点で「頼れる人」を探せば良いのです!

おわりに

今回は、ソーシャルサポートをテーマにして記事を作成してみました。

記事のポイントは次の通りです。

✔︎ソーシャルサポートは、他人から援助を受けること!
✔︎私たちを助けてくれる人は案外身近にいる!
✔︎学校や会社、地域にも頼れる人はいる!
✔︎私たちには「道具的サポート」「情報的サポート」「情緒的サポート」の3つの頼り方がある!

あなたのお役に立てると幸いです!

To be continued

参考・引用

伊藤絵美(2021).コーピングの優しい教科書.金剛出版.
長崎和則(2010).精神障害者へのソーシャルサポートの活用-当事者の語りの分析から-.ミネルヴァ書房.

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この記事を書いた人

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