【臨床心理士・公認心理師】カウンセリングの専門家|資格やお仕事・違いについてわかりやすく解説!

ぼたんの悩み

2022.05.29投稿

✔︎毎日が辛い。こころの専門家に相談したい。

✔︎こころの問題を抱えている家族のこと、こころの専門家相談したい。


✔︎臨床心理士とか公認心理師ってどんな人?相談して大丈夫?

床心理士や公認心理師は心理学的支援の専門家です。こころの事、毎日の辛さの事、相談してみようと考えたとき、最初に思いつくのはこの2つの資格ではないでしょうか。

でも、臨床心理士とか公認心理師ってどんな人!?よくわからなくて、相談するのは不安!

そう思う方も少なくないと思います。

インターネットで検索してもちょっと難しいことしか書いてない…ですから、この記事は、臨床心理士と公認心理師のお仕事についてわかりやすく解説していくことをめざします!この記事を読むと、臨床心理士や公認心理師のお仕事について 簡単に理解することができます!

※それぞれより詳細に扱った記事もありますので、必要に応じてリンクに飛んでみてください!

Writer

ライターは臨床心理士と公認心理師の資格を持っていて、教育領域の心理職と専門学校や大学の講師の仕事をしてきました!心理職としての実体験と、講師の仕事で鍛えた伝える力を駆使して、わかりやすい記事を書いていきます!

それでは、内容に入っていきます!

目次

臨床心理士ってどんな資格?

臨床心理士

いつからできたの?資格ができてどうなったの?

臨床心理士は、1988年に誕生した、民間の心理学系の資格です!

この資格ができたことで、次の2点が達成されました!

✔︎臨床心理士の生涯学習の場が確保された。
✔︎臨床心理士が社会的信用を得られるようになった

臨床心理士の誕生まで、バラバラに仕事をしていたこころの支援者たちは、「臨床心理士」資格ができたことで、組織を持つことができました。

その組織は「臨床心理士会」という名前で各地に拠点を置き、地域の有資格者たちの生涯学習を助けています各地の臨床心理士会では、毎年たくさんの勉強会が企画・運営されています!

加えて、有資格者の活動について情報発信をするのも「臨床心理士会」の大切な役割のひとつです。社会に対して臨床心理士の活躍を報告していくことで、少しずつ社会的信用を獲得していきました。

臨床心理士ってどんな人がなるの?

臨床心理士は、民間の資格ではありますが、受験資格を得るにはかなりの努力が必要です。

臨床心理士の資格を取得するには、次の2つのハードルを超えなくてはなりません。

✔︎臨床心理士指定大学院の修了
✔︎臨床心理士試験合格

大学院は2年間の課程です。その2年間で、院生は勉強に研究に実習にと、かなりハードにもまれます

そうして受験資格を得た後、臨床心理士試験に合格してはじめて資格を取得できます。

こうしたハードルを超えているという意味で、臨床心理士は資格取得時点で、ある一定の、最低限の知識はあると判断して良いと思います。

詳しくはこちらから!

臨床心理士って何してくれるの?

臨床心理士のお仕事

臨床心理士のお仕事について

日本臨床心理士資格認定協会は、臨床心理士のお仕事について、次の4つを挙げています。

1)臨床心理査定
2)臨床心理面接
3)臨床心理的地域援助
4)上記3つに関する調査・研究

日本臨床心理士資格認定協会HPより引用

これらひとつひとつについて、簡単に眺めてみましょう!

臨床心理査定

臨床心理査定とは、つまり「相談に来た人について知ろうとすること」です。

例えばインフルエンザならインフルエンザウィルスをやっつける。尿管結石なら結石を取り除くといったように、体の問題なら原因を取り除けばそれでおしまいにできます。

でも、こころの問題はそう簡単にいかず、原因も必ず取り除けるとは限りません。

そうすると、今度はそんな「原因」を抱えながら、どう日々を生きていくかということについて、考える必要があります

臨床心理査定で、臨床心理士は、相談に来た人のが抱える問題だけでなく、その人が持っている強み、人間性なども含めて多角的に査定して、どのように明日を生きるか、一緒に考える姿勢をとります。

臨床心理面接

臨床心理面接は、カウンセリングや心理療法のことと捉えて差し支えありません。

ひとことで「カウンセリングや心理療法」といっても、そのかたちは様々です。

1対1で行う「いわゆる」カウンセリングのようなかたちもあれば、集団で語り合うようなものや、みんなでレクリエーションをするようなものもあります。

また、カウンセリングや心理療法には様々な流派や問題に対するアプローチの型があって、臨床心理士は自分にあった流派や型を探して学び続けています。

詳しくはこちらから

臨床心理学的地域援助

臨床心理学的地域援助は、いわゆるコンサルテーションです。

コンサルテーションとは、ある専門家が別の専門家にアドバイスをすることです。

専門家といっても、なにかの資格がないといけないわけではありません。例えば親なら子ども(息子・娘)の専門家といったように、こころの問題を抱えている人の身近な関係者を対象と捉えています。

臨床心理士は、こころの問題を抱えている人だけではなく、その関係者の支援も重要視しているということです。

ちなみに、臨床心理士は、基本的に臨床心理学を専門にしていて、そのなかには次のような領域が含まれます。

✔︎臨床心理学
✔︎子どもの発達
✔︎発達障害
✔︎カウンセリング
✔︎心理療法
などなど

とはいえ、人によって得て不得手がありますので、どんなことならコンサルテーションしてもらえるか、直接聞いてみるよ良いと思います!

調査・研究

臨床心理士の調査・研究は「より良いこころの支援を考えよう!」という方向で行われることがほとんどです。

そして、そうした調査・研究の成果は、学会や地域の職能団体の広報などで有資格者同士で共有されます

もちろん、全ての臨床心理士が調査・研究と実践を両立しているわけではありませんが、ちょっと小難しいことが書いてある調査・研究の成果を共有する力は、大学院時代に培われています。

詳しくはこちら

公認心理師ってどんな資格?

公認心理師

いつからできたの?資格ができてどうなったの?

公認心理師は2019年度から資格交付が始まった、心理学系初の国家資格です!

率直なところ、お仕事としては、臨床心理士大きな違いはありません。そもそも、臨床心理士の多くが公認心理師を後から取得して、ダブルライセンスで今までと同じ仕事をしています。

一番違うのは、「国家資格」であるということです。

国家資格は、「高度な専門性が必要となる業務や、危険が伴う可能性のある業務に従事することができる」ことを国が証明すものです。

心理系の国家資格が整備されたということは、こころの支援が高度な専門性が必要であり、今の国家に必要なものであると国が認めたということです。

なお、臨床心理士の発展に寄与し、生涯学習を支えていた臨床心理士会の多くが、現在公認心理師協会と名称変更し、「臨床心理士と公認心理師」の職能団体として機能しています。

公認心理師ってどんな人がなるの!?

公認心理師資格取得は、臨床心理士資格取得に輪をかけて大変です。

具体的には次の3つのハードルを超える必要があります。

✔︎学部4年間のカリキュラムを修める。
✔︎大学院2年間のカリキュラムを修める。
✔︎国家試験に合格する。

臨床心理士と同じ大学院での厳しい2年間に加え、学部の4年間でも単位取得や実習をこなさなくてはなりませんので、資格取得までにはかなりのハードルがあります。

逆にみると、公認心理師の資格を取得しているということは、そうしたハードルを超えている人だと判断することができます。

詳しくはこちらから

公認心理師って何してくれるの?

公認心理師

公認心理師のお仕事について

公認心理師法は、公認心理師のお仕事について、次の4つを挙げています。

①要心理支援者の心理アセスメント
②要支援者に対する援助
③要支援者の関係者に対する援助
④こころの健康に関する情報提供

これらひとつひとつについて、簡単に眺めてみましょう!

要心理支援者の心理的アセスメント

要心理支援者の心理的アセスメントは、臨床心理士の「臨床心理査定」と同じものと考えて良いです。

要心理支援者の抱える問題点だけでなく、強み、資源も含めて総合的に捉えて、どのような支援が適切か仮説を立てます。そうした仮説を要心理支援者との間で共有し、心理的支援のなかで検証していきます。

要心理支援者に対する援助

こちらも臨床心理士の臨床心理面接と同様、要心理支援者に対するカウンセリングや心理療法を含みますが、ちょっと違った点もあります。

それはカウンセリングや心理療法だけでなく、「専門家としての助言や指導」についても強調されているということです。

カウンセリングや心理療法は、自分と向かい合うことですから人によっては負担が強すぎることもあります。

そんなときは、公認心理師が学んできたこころの元気に役立つ知識をお伝えすることでサポートを行うこともあります!

要心理支援者の関係者に対する援助

こちらは、臨床心理士の「臨床心理的地域援助」と同じでコンサルテーションだと理解して差し支えありません。

要心理支援者はもちろん大変です。しかし、その家族や、周りの人も同じくらい大変さを抱えていることも少なくありません

こころの問題を抱えている子どもと、生徒と、どう関わったら良いのだろう、、、

そう悩む方はとっても多いです。

公認心理師の知識や経験のなかには、そんな関係者の方々に役立つものもたくさんあります。そんな知識や経験を使ってアドバイスを行うのが「要心理支援者の関係者似に対する援助」です!

詳しくはこちらから

こころの健康に対する情報提供

こころの健康に対する情報提供は、こころの問題の「予防」を目的とした啓発活動です。

臨床心理学では、こころの健康の増進に役立つ様々な事柄が研究されています。そのなかには、講演会のようなかたちで情報発信をすることで、人の役にたつものもたくさんあります!

例えば次のような内容です。

✔︎運動とこころの健康について
✔︎規則正しい生活とこころの健康について
✔︎食事とこころの健康について

こうした情報を発信していくのも、公認心理師の大切な業務のひとつです。

話を聞いた人が実践することで、生じていたかもしれない問題が未然に防がれる。それが「予防」です!

詳しくはこちらから

おわりに

この記事は、臨床心理士と公認心理師のお仕事について、簡単に全体像をお伝えすることを目的にまとめました!

全体像は次の通りです。

✔︎臨床心理士資格について
✔︎臨床心理士のお仕事について
✔︎公認心理師資格について
✔︎公認心理師のお仕事について

それぞれの記事には、詳細を解説した記事に飛ぶリンクを設置していますので、興味のある方はそちらもご覧ください!

あなたのお役に立てると幸いです!

引用・参考

下山晴彦編(2009).よくわかる臨床心理学.ミネルヴァ書房.
田中富士夫編著(1996).臨床心理学概説.北樹出版.
植村勝彦 他編(2006).よくわかるコミュニティ心理学.ミネルヴァ書房.
一般財団法人日本心理研修センター.公認心理師現任者講習会テキスト[改訂版].金剛出版.
公認心理師法(厚生労働省HPから)
文部科学省HP
日本臨床心理士資格認定協会HP

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
「こころの元気」に役立つ情報発信がテーマのブログです。読者さまがすぐに使える情報を「楽しく」「わかりやすく」「具体的に」お届けできる記事を目指しています!
詳しいプロフィールはこちら

コメント

コメントする

目次